関東以西の山林に自生する、樹高2〜3mほどの常緑低木。「難を転ずる」に通じるところから、縁起木として古くから庭に植えられているが、それが野生化したと思われるものが多い。
根元から多くの茎が株立ち状に立ち上がり、幹の先端に数回にわたって分岐する羽状複葉の葉を互生につける。小葉は広披針形で先端が尖り全縁、革質でつやのある深い緑色である。
初夏に先端の葉の間から円錐花序を上に伸ばし、径6〜7oの白い花を多数つける。外側に6枚の萼、その内側に6枚の白い花弁、さらに内側にある黄色い6本が雄蕊である。これらの中心に1本の雌蕊がある。
秋から初冬にかけて径6〜7oの球形の赤い(まれに白)果実をつける。
名前の由来: 多説あり、中国では古来、「南天燭」等の名前で呼ばれており、それが日本で簡略化されたと言うのが一説。「南天燭」の意味は、神の世界では、「南十字星」のことであり、その意味は、「暗闇を照らす光」である。 |