日本全土の山地の樹幹や岩上などに着生する常緑性シダ。
根茎はやや細く、径1〜1.5mmの茎は短くて横に這い、三角状卵形の長さ約0.5mmの鱗片を密生する。鱗片は暗褐色で古くなるとなくなる。
葉は茎から出る細長い単葉で先端は細く尖る。基部も次第に細くなり、葉柄は長さ2〜5cmで黒っぽく、鱗片がある。葉は少し肉厚で乾燥すると、左右から裏側に向けて丸まる。全形はノキシノブに酷似しているが、本種の方が、根茎がやや細く、葉柄が長いことなどで区別できる。
ソーラスは円形で、葉身の葉裏にあり、葉身の先1/3〜1/2の部分の主脈の両側にそれぞれ一列に並ぶ。黄褐色で包膜はない。丸く盛り上がって、葉からこぼれそうになることもある。
名前の由来:高山性のノキシノブという意味。ノキシノブとは、しばしば屋根の軒端に生えることに由来している。 |