全国の湿った日陰や林下などに群生する、コケ状の常緑性シダ植物。
茎は緑色で、長く伸びてまばらに分枝する主茎と、短くてよく分枝する側枝とがある。いずれも鱗片状の葉をつけるが、側枝の方が密である。
主茎は長いものは30cm。地表に密着して伸び、分岐点からは多数の白色糸状の細い根様体を出す。根様体は土に触れるとそこから根を出す。
葉には2つの形がある。茎の背面には、背葉と呼ばれる狭い葉が二列に並んで茎に密着してつき、茎の側面には、腹葉と呼ばれるやや幅広い卵形の葉が左右交互に横に広がってつく。
側枝の先に短い四角柱の胞子嚢穂を生じ、胞子嚢には多数の小さい胞子を含む小胞子嚢と、四個の大きな胞子を含む大胞子嚢がある。
名前の由来:最初に発見された場所が京都の鞍馬山だったことから「クラマ」。コケと姿が似ているが、実際はコケ類ではない。 |