本州〜九州の道端や林縁などに生育する多年草。草全体が円盤状に広がり、茎は地面を這って直立しない。シソ科では珍しく茎の断面が丸い。
葉は対生。基部の葉はロゼット状につき、長さ4〜6cmの広倒披針形で、先端側の幅は広く、基部に向かって次第に狭くなる。茎につく葉は形は同じだが小形。葉縁には波状の鋸歯がある。表面は緑色で時に紫色を帯びることがあり、植物全体に多細胞の縮れた毛が多い。
花期は3〜5月。葉腋に外面に毛がある濃紫色の唇形花を輪生状に数個つける。花冠の上唇はごく短く2裂し、下唇は大きく3裂して中央の裂片が長くつきだし、先は浅く2裂している。雄蕊は4本で2本は長い。
果実は長さ約2mmの卵球形の4分果からなり、表面に網目がある。
名前の由来:「キというのは紫を表す古語,ランは藍」という説があ
るが不詳。別名のジゴクノカマノフタは、毛が密生する根生葉が地面を覆うように広がることから付けられたと言われている。 別名:ジゴクノカマノフタ |