北海道〜四国の丘陵〜山地に生える樹高3〜7mの落葉低木。
根に根粒菌を持ち、痩せ地や崩壊地に自生する先駆樹種である。
樹皮は黒褐色で滑らか。枝は暗灰褐色でよく分枝する。縦長の小さい皮目があり、若い時は毛が生える。葉は互生し、葉身は長さ5〜10cmの狭卵状披針形。側脈が20〜26対あり、表面で凹み、裏面に隆起する。
表面は無毛で、裏面の脈上に伏毛がある。
4月頃、枝先に雄花序が無柄で1〜3個垂れ下がる。雄花序のすぐ下の葉腋に柄がある雌花序が3〜6個総状について垂れ下がる。
果穂は房状で3〜5個の球果を付ける。種子には両側に狭い翼がある。
名前の由来:姫夜叉五倍子。姫は小形。不気味な感じの球果を夜叉に譬え、五倍子(ふし)は、ヌルデの虫こぶを言い、タンニンを多く含み黒色の染料とするが、本種の球果がタンニンを多く含むので、フシと同様であるとの意味。 |