本州の関東以西、四国、九州のやや湿り気のある落葉樹林内に生える多年草。根茎は枝分かれして地中を這い、ブナ科やカバノキ科の樹木の根に寄生して栄養をとりこむ寄生植物で、葉緑素をもたない。
花期は5〜7月。地上に10〜30 cmほどの太い花茎を直立し、穂のような総状花序をつけ、多数の白〜淡紅紫色の花を開く。花は短い柄をもち、基部に狭卵形で先の尖る小さな苞葉をもつ。花冠は筒状で長さ1.2cm、先は2裂して唇形になっている。2本ずつ長さの異なる4本の雄蕊がある。萼は鐘形で、先が4裂し白毛が密生する。
果実は倒卵形で2〜4個の種子を持つ。
名前の由来:山に生育し、花穂の形が戦国時代の武将が矢を入れた靫(うつぼ)に似ていることによる。 |