北海道〜九州のエノキなど落葉広葉樹に寄生する、樹高50〜80cmになる半寄生常緑小低木。枝は柔らかいが強く、5〜10cmの間隔で二叉分枝を繰り返して広がる。葉は対生。葉身は長さ4〜8cmのへら形で、全縁。革質で厚く、両面とも無毛。
雌雄異株で花期は2〜3月。枝先の葉の間に柄のない黄色の小花を開く。雄花は3〜5個、雌花は1〜3個ずつつく。萼片は厚質で4裂する。雄蕊には花糸がなく、葯は萼片に付き、雌蕊の柱頭には柄がない。
果実は直径6〜8mmの球形の液果で、熟すと淡黄色となり、扁平な種子が粘液質の果肉に包まれる。鳥に食われるが、消化されずに糞と共に排泄されて他の木に付着して芽を出す。発芽すると、寄生根を幹の中に食い込ませ、水分と栄養分を吸収して成長する。
名前の由来:宿り木の意味で、他の樹に寄生して生きるからである。別名のトビヅタは樹から樹へ飛び移るツタという意味。 |