関東・北陸以西の山地に生える、樹高10〜15mの常緑の高木。乾燥に強く、暖地の二次林によく見られ、高木層を形成する程には高くならない。樹皮は大きな割れ目はなく、灰黒色で滑らか。
葉は互生だが、対生に見えるものもある。葉身は長さ7〜10cmの長楕円形で、さほど厚くはないが、革質でわずかに波打っていることが多い。3脈が目立ち、最初に出る2本の支脈は葉の先までは達しない。葉柄を噛んだり、葉を揉むとシナモンの味や匂いがする。
花期は6月。長い柄の先に淡黄緑色の小花が数個ずつ散形状につく。花被は筒形で上部は6裂するが平開しない。雄蕊は12本。
果実は液果。長さ1.5cmほどの球形〜楕円形で、秋に黒っぽく熟す。
名前の由来:中国では、香木を「桂」と呼び、ニッケイの樹皮が厚いことから「肉桂」。「ヤブ」の名はつまらないものの意らしい。 |