日本全土の山地の木陰などに生える、高さ20cm程の草状の常緑小低木。細くて長い匍匐茎があり、茎は直立してほとんど枝分かれしない。
葉は互生し、茎の上部に1〜2層輪生状につく。深緑色で光沢があり、長さ6〜13cmの長楕円形で先端はとがり、基部はくさび形。5〜8対の葉脈があり、縁には低く細かい鋸歯がある。葉柄の長さは約10mm。
花期は7〜8月。葉腋または鱗片葉の腋から1cm程の花柄を出し、散形花序に径6〜8mmの白色花2〜5個を下向きにつける。花の色は紫色を帯びるものもある。萼と花冠は深く5裂し、雄蕊は5本、葯は花の中央に集まり、花柱をとりまく。
果実は直径5〜8mmの球形の核果で、11〜 1月頃に赤く熟する。赤い実は迎春の寄せ植えなどにも使われることから十両とも言われる。
名前の由来:葉や果実がミカンの仲間「コウジ(柑子)」に似ていて、藪に生えるところから名付けられた。「ヤマタチバナ」は古名 |