北海道〜九州の山間の浅瀬に生える、草丈20〜40cmの多年草。根茎は太い円柱状で多数の節をもち、多くのひげ根をだす。
根生葉は30cmくらいの長い柄をもち、葉身は長さ幅ともに8〜12cmのほぼ円形で、基部は心形、縁はゆるい波状で、不揃いの鋸歯がある。
茎葉は少数が互生し、下部の葉は心形で鋸歯はなめらか。上部の葉は長三角形で鋸歯が鋭いものが多い。いずれの葉も光をよく反射して目立つ。
花期は3〜5月。茎頂に総状花序をつけ、ボール状に花を多数つける。
花は径約1cmの白色で十字形の4弁花。雄蕊6本で、うち4本が長い。
葯は黄色。花が終わると花軸が伸びて、長さ2cm弱の円筒形の湾曲した数珠状の長角果をつけ、種子は隔壁を挟んで1列に並ぶ。
名前の由来:沢に生え、葵の葉に似ていることからサワアオイと呼ばれ、短縮され「サワヒ」、さらに転じて「ワサビ」になったとの説、ほか諸説あるが明確なものはない。漢字では山葵と書く。
※ 栽培され、静岡県や長野県など、日本各地に特産地がある。 |