本州中部地方〜九州の深山に自生する、樹高4mに達する常緑小高木で、幹が直径12cmほどになるものもある。多くの枝に分かれ、若枝には褐色の長い綿毛がある。四国では標高1,000m付近に多い。
葉はやや輪生状に蜜に互生。太い葉柄を有し、葉身は長さ10〜20cmの倒披針形で全縁。新葉のうちは両面に褐色の綿毛があるが、表面は早期に消えて光沢のある革質となり、裏面は密生してビロード状である。
花期は5〜6月。枝先の総状花序に多数の漏斗状の花をつける。花冠は淡紅紫色。花の径は4〜6cmで、萼片・花弁ともに7枚、雄蕊はその倍の14本あり、長くて目立つ。子房は7室からなり、毛が密生する。
花の時期、咲き始める基部の淡紅紫色から、頂部の蕾の濃紅色までの色の変化は見事である。まれに白色の花がある。
名前の由来:筑紫石楠花で、「石南花」を音読みした「シャクナンゲ」が転じた名前。「石南」と書くのは、石の間に生え、南向きの土地を好むことかららしい。最初の発見場所が筑紫だったのだろうか。 日本固有種
植栽? |