全国各地のやや湿った林床に群生し、スギの幼苗に似る常緑シダ植物。茎の根元はやや斜めになって新芽を出すので、株立ちになる。地下茎はなく、茎は斜上する基部から分枝して数本直立して、高さ20cm、時には30cmほどになる。茎は上の方でも2〜3度の分枝をする。 茎も葉も硬い。葉は細長い楕円形にちかく、薄い革質で、茎の回りに螺旋状につく。下部は短い葉柄となり、縁にはやや鋸歯があるが変異が多く、変種を区別する特徴として利用される。葉脈は主脈一本だけで、やや裏側に突出する。7〜9月、胞子嚢群は上部の葉腋に1個ずつつき、黄色に熟した後、横に裂けて胞子を出す。茎の上部に無性芽を生じて、これが後に落ちて新植物となる(無性生殖)。 名前の由来:峠付近の山地に生える小形の草の意味というが、葉が何層にも重なることを塔に形容したとする「塔華柴」説もある。 |