四国に分布する落葉性の低木〜小高木。高さは数mになり、若い枝は分岐点でジグザクに曲がる。 葉は互生、葉は幅の広い卵形で先はやや尖る。質は厚く表面には散毛が、裏面は白っぽく平行に走る葉脈状に軟毛が多い。縁は波状の鋸歯がある。基部からは5〜7主脈が掌状に出る。
早春に葉の展開に先立って、穂状の花序を出し、ぶら下がるように淡黄色の花を7〜10個咲かせる。花弁はヘラ形であり、5枚。雄しべは5本で、葯は紅色。花弁
萼片は共に5枚、雄しべは花弁と同じくらいかそれよりも長い。雄しべの先端の葯が暗い紅紫色をしている。裂開する前の葯(雄しべの花粉を入れる袋)は暗い紅色をしている。花の後にできる実はさく果で、熟すと2裂し、光沢のある黒い種子を出す。 名前の由来:「トサ」は自生地が、土佐(高知県)の蛇紋岩地帯や石灰岩地帯に分布していること、ミズキは、「樹液が多く、春先に枝を切ると水が滴り落ちる」ほど水っぽい木を意味している。 |