大型ササの1種で、北海道〜九州の山地に分布するが、特に日本海側のブナ林に多い。樹林の裾に密生し、地中を這う地下茎から、粗毛のある緑紫色のタケノコを出して繁殖する。稈は直径5〜8oの淡紫褐色で、直立して上部で1節から2本に分岐し、2年目にはさらに上部で分岐して、枝先に2〜3枚の葉が近い位置で互生する。高さは2〜3mに達する。稈の節は膨れず、稈鞘の長さは節間より長く、表面に長毛がある。
葉柄は紫色を帯び,鞘となって枝を包み古くなると毛を失う。葉は長さ20〜30p、幅3〜5pの披針形で洋紙質。両面とも無毛で、裏面は灰白色。冬期には葉に白い隈どりが現れる。
開花は60〜100年に1度とも言われ、花に出合うことは滅多にないが、開花結実すると地下茎でつながっている群落すべてが枯れてしまう。
長いアズキ色の穂につく花には花弁はなく、黄色い雄蕊が垂れ下がる。
名前の由来:スズは、ススキの様に叢生する意味といわれている。「タケ」は、ササとは思えぬほど背が高いことから呼ばれたらしい |