四国、九州の山間の湿地に生える草丈20〜30cmの多年草で、サワオトギリの変種とされている。地下茎を横に伸ばしながら広がり、茎は基部から数本が叢生し、上部で多数に分枝する。
葉は長楕円形で長さ2〜4cm、幅0.6〜1.5cm、サワオトギリの葉に比較して細長い。明点が目立ち、普通は縁にだけ黒点がある。質は薄く、裏面は帯白色で茎を抱かない。
花期は7〜8月。上部の葉腋から枝を伸ばし、枝先に数個の黄色の5弁花を疎らにつける。花は直径約1cmで花弁には明線が多く、縁にだけ黒点が入る。萼片は広線形で5個がつき、数個の黒点が入る。
果実は刮ハで長さ約1cm、先の尖った卵形で褐色に熟す。
名前の由来:長崎で見つかったオトギリソウ。オトギリソウは、昔この草を原料とした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が怒りのあまり斬り殺し、その時、庭に栽培していた薬草に飛び散った血潮の跡が葉に残っていたことで弟切草の名がついたとされている。 |