北海道〜沖縄の低山の林縁や崩壊地などに生える、高さ3mほどになる落葉低木。果実が紫色で美しいので、観賞用として栽培される。
葉は対生。葉身は長さ6〜13cmの長楕円形。先は尾状に尖り、基部は狭いくさび形。縁には全体に細かい鋸歯がある。葉は黄緑で洋紙質、薄くて表面につやはなく、裏にはわずかに毛がある。
開花期は6〜7月。葉腋から集散花序を出し、淡紅紫色の花を多数開く。花冠は長さ3〜5mmで上部は4裂して平開し、雄蕊が4本、花冠よりわずかに出る。花柱は雄蕊より長く、柱頭は2裂する。
※ コムラサキは、花の密度が高く、鋸歯が葉の上半分にしかない。
果実は直径3mmの球形の核果で秋に紫色に熟す。白実の品種もある。
名前の由来:元々「ムラサキシキミ」と呼ばれていて、「シキミ」とは実が沢山なるという意味。落葉後に残る美しい紫色の果実から、平安時代の女性作家「紫式部」を連想したのだろうか。 |