北半球の広い範囲に分布し、日本では北海道〜九州の山地の明るい湿地に生育する多年草。根はほとんど発達しない。
背の低い草で茎はごく短く、葉にははっきりした葉柄がある。葉身はほぼ円形で、地面から葉を放射状に出し、葉面にある多数の紅紫色の腺毛から甘い香りのする粘液を分泌して虫を捕獲する。虫がくっつくと、腺毛と葉がそれを包むように曲がり、虫を消化吸収して養分とする。
花期は7〜8月。15cm内外の花茎に、くるりと巻いた穂状の総状花序をつけ、その外側に数個〜10数個の径1cmほどの白い5弁花を開く。
さく果は熟すと3裂し、細かい種子を散らす。
名前の由来:群生する場所は、赤い葉の色によって、毛織の毛氈(フェルト)を敷き詰めたよう見え、地面に張り付くように生えている様子を苔に見立てて名付けられた。 絶滅危惧種 |