全国の山地に生える樹高20m、幹の直径80cmほどになる落葉高木。
樹皮は灰褐色で厚く、縦に深く長い裂け目ができる。
葉は互生し、長楕円形でやや薄くて先がとがり、縁には鋭く小さな鋸歯が並ぶ。鋸歯の先まで緑色をしている点でクヌギと区別できる。
雌雄異花で、6月ごろ黄白色の臭いの強い帯状の雄花のつけ、そのつけ根に緑色の雌花をつける。ブナ科には風媒花のものが多いが、本種は虫媒花で非常によく昆虫が集まる。一般に雌花は3個の子房を含み、受精した子房のみが肥大していがに包まれた果実となる。
9月末頃、自然にいがのある殻斗が裂開して中から堅い果実が1〜3個ずつ現れる。
材は堅く耐久性に優れ、家の土台や鉄道の枕木などに用いられる。
名前の由来:落ちた実を小石にみたてて、小石を意味する古語「くり」とした説。黒実(くろみ)が元になったという説。朝鮮語で栗を意味する「kul」から変化したという説等々、諸説ある。 |