関東以西の本州、四国、九州のやや湿った谷間で、渓流のそばの平坦地など、コケ混じりに小さな群落を形成することが多い。日本のスミレ類ではもっとも日陰に生えるものの一つ。ごく小柄な植物で、葉はほとんど地表に接し、背丈はせいぜい数cmにすぎない。地下茎は短くて立ち、数枚の葉を根出状につけ、匍匐茎はない。葉は深緑色だが、時に紫色が乗って黒っぽくなる。また葉脈に沿ってあらい網目のような白い斑が入ることも多い。へりには丸みのある鈍鋸歯が並ぶ。 花は白から薄紫、やや小型。花茎は5〜10cmで、葉より高く伸び上がる。萼が反り返っており、これは他のスミレ類にはあまり見られない特徴である。花期は5月頃で、それ以降は盛んに閉鎖花をつける。 名前の由来:小深山スミレの意味である。 |