春の七草のひとつ。人里周辺に生える柔らかい越年草。茎は下部からよく分枝し、地を這って上部は立ち上がり、高さ10〜20cmになる。茎は赤紫色を帯びることが多く、片側にだけ1列に並んだ軟毛がある。
葉は対生。深緑色で長さ1〜2cmの卵形で下部に少し毛があり、縁は全縁か時に波状。下部の葉には長柄があるが、上部の葉には柄がない。
花期は3〜9月。径6〜7mmの白色花をつけるが、5枚の花弁は基部まで深く裂けるため10枚に見える。雄蕊の数は3本を中心に2〜7本、雌蕊は3本の花柱がある。萼片は5枚で、花弁よりも長く、毛がある。
果実は刮ハで、長さ4〜5mmの卵形〜惰円形。種子は直径 1〜1.2mm のほぼ円盤形で、周囲になめらかな突起がある。
名前の由来:万葉集に「波久倍良(ハクベラ)」の名で登場し、これがハコベの語源と言われる。ハクベラ ⇒ ハコベラ ⇒ ハコベと変化してきたが、意味は不明である。
※ 酷似種のミドリハコベは、茎の色が緑色であること、雄蕊の数が8〜10本であるなどの相違点がある。 |