谷沿いなど、湿った場所に生える雌雄異株の落葉高木。幹は直立し、樹高さ30m、胸高直径2mになるものもある。樹皮は暗灰褐色で浅く割れ目が入る。高木になると、しばしば樹皮が薄くはがれる。鮮やかではないが黄葉し、さらに茶色になり落葉すると、独特の甘い香りを出す。
4月頃、葉が出る前に葉腋に小さな花を開く。花弁も萼もなく、基部は苞に包まれる。雌花は3〜5個の雌しべがあり、柱頭は糸状で淡紅色。雄花には多数の雄しべがあり、葯はやはり淡紅色。 短枝と長枝があり、葉は長枝には対生し、短枝には1つつく。葉身は広卵形で、基部は心形。葉脈は5〜7の掌状脈。縁には鈍鋸歯がある。 材質は密で軽く、軟らかくて耐久性に優れるので、種々の彫刻材などに利用される。乾燥させた独特な香りの黄葉は、抹香として利用する。 名前の由来:黄葉からお香を作ったことから「香出(かづら)」が転訛したものであるというのが通説。 |