北海道の一部以南の日当たりの良い山地、原野や道端の草地などに自生する、冬緑性(秋に出た葉が冬を越し、翌年の夏に枯れる)シダ植物。
根茎は短く直立し、多肉質の太い根から1本の栄養葉が立ち上がる。葉柄は基部近くで光合成を行う栄養葉と、胞子を作る胞子葉とに分枝する。栄養葉は、秋から翌春まで地面すれすれの位置にあり、葉軸が三岐する。葉は長さ5〜10p、幅
8〜12pのほぼ五角形、 3〜4回羽状に深裂し、ほぼ無毛でやや厚い草質である。胞子葉は高さ30cm程度になり、先の方が穂状に分枝して、小枝の先に多数の黄色い径1oほどの粟粒状の胞子嚢を群生し、花のように見える。
※ ハナワラビ類の前葉体は葉緑素を持たず、必要な栄養は、地中の菌類からを得ているものと考えられている。
名前の由来:穂状に付けている胞子嚢が、あたかも花の様であり、出現するのが冬頃であることから命名された。 |