本州以南の山地までのやや湿った林下に生える、中型の夏緑性シダ。
根茎は塊状で直立〜斜上し、葉を叢生する。葉柄はわら色〜薄紫色、長さ10〜25cmで、基部に狭披針形で褐色の鱗片がある。
葉は2回羽状複葉で柔らかい草質。春に出る光合成をする栄養葉は羽片が込み合い、地表近くに展開。夏に出るソーラスをつける胞子葉は羽片がまばらで、直立する。
栄養葉の葉身は柔らかい草質で、長さ20〜45cmの楕円状卵形。中軸は緑色、羽軸はほぼ紫色で、裏面には細かい毛が生える。羽片は12〜20対つき、小羽片は10〜14対で、 基部は対生し、先は互生する。
ソーラスは小羽片のやや中軸寄りつき、包膜は全縁の半月形か鉤形。
名前の由来:ワラビに似ているが、食べられないの意味合いから「イヌワラビ」。そのイヌワラビに比べて、葉の上部がより狭くなるところから名付けられた。 |