全国の山野のやや乾いた所に生える、草丈30〜50cmの常緑の多年草。地下か地表に匍匐茎を出して広がる。基部の鞘は紫褐色。葉は扁平で細長く、幅2〜5oでつやはなく、縁はかなりざらつく。
他のスゲ類よりも早くに花が咲く。小穂は3〜5個がまばらにつき直立する。茎の先端の黄白色の小穂は雄小穂で、雄花の集合体。その下のまばらな細い糸状のものが雌花だけの集まりである。
3〜4月、先端の雄小穂からは溢れるほどに葯が飛び出し、はっきりと黄色く色づいて黄色い房のように見えるので、小柄ながらも他のスゲ類よりよく目立つ。小穂の基部にある苞の鞘の部分が赤褐色をしているのが、本種の特徴である。花の後にできる実は小堅果である。
名前の由来:一般に、スゲは冬には枯れてしまうが、本種は冬にも枯れないので「寒菅」の名があり、特に小さいことを意味する。 |