北海道南部以南のやや湿り気のある森林に自生する、樹高2m程度の落葉低木。若い枝は上部で多数枝分かれして緑色を帯び無毛。太くなると樹皮は縦に裂け、褐色の縞模様ができる。 葉は単葉で互生する。葉身の表面は光沢があり、長さ10cm前後の楕円形で縁には低い鋸歯があり、葉先は尾状で浅い鋸歯がある。
5月頃、葉の中央に淡緑色の3〜4弁の小さな花をつける。 雌雄異株であり、雄株では葉の上に数個の雄花が集まってつく。雄花の雄しべは3〜4個である。雌株には雌花が通常は1個、稀に2〜3個つく。
雌しべの柱頭は4つに裂ける。花の後にできる実は直径7〜9mmの球形の液果で黒く熟し、甘味がある。 名前の由来:葉の上に載った花や実を筏に乗った人に見立てたものである。「嫁の涙」は、姑に辛い思いをさせられた嫁が、人に隠れて流した涙がハナイカダの葉に落ちて花になった民話から。 |