北海道〜九州北部の寒冷な地域に分布し、タチツボスミレより大型で、花後30cmくらいに伸びる。北方系の種であり、ブナ林域の谷筋など、やや湿った落葉広葉樹林下や山道の路傍などに生育する。
根生葉と茎葉はほぼ同形である。葉は幅3〜6cmの円心形で先が尖り、明るい緑色で、縁には鋸歯があり、葉脈はへこんでいる。葉質はやわらかく、波打っているものが多い。托葉はクシの歯状に深裂する。
花期は4〜6月。花は直径2〜4cmあり大きい。唇弁の紫色のすじが細かい網の目状になる。花の色はやや赤みのある淡紫色で、距が白いのもタチツボスミレと見分けるときのポイントのひとつ。
名前の由来:スミレは花の形が大工道具の墨壺(墨入れ)に似ているからという説が有力。タチツボ(立坪)は花の終わり頃から茎が立ち上がる様に見えるからで、坪は古く庭などを意味する。 |