本州〜四国のブナ林など夏緑広葉樹林の谷沿いに生える落葉小高木。樹皮は淡黒色で縦裂、枝はほぼ無毛で折れ易く、表皮は糸状に剥げる。
葉は互生し、大きく柔らかい。長さ15cmほどあり、葉身は広楕円形または広倒卵形で、先端は短く尖り、縁には細かい鋸歯がある。側脈は8〜12対。葉脈は表面で凹み、裏面では隆起しているのが特徴的。
葉脈上に毛があり、裏面は全体に微細な星状毛が密生して白緑色を帯び、葉脈上に開出毛がある。
花期は6月。樹冠を覆う様にある長い花序に、白い花が垂れ下がる姿はみごとである。花弁は5枚で10本の雄しべがあり、花冠より長い。
果実は淡褐色で9〜10月に熟し、淡褐色の毛が隙間なく生えている。
名前の由来：麻殻とは、皮を剥いだ麻の茎のことで、本種の材が折れ易いのを麻の茎に例え、葉が非常に大きいところから。 |
