山間地の薄暗い林床や林縁などに自生する、草丈30〜40cmの多年草。分布の範囲は狭く、愛媛・高知・広島・山口の各県で確認されている。
葉は花柄と二股に分かれる葉柄から広がる鳥足状の複葉が1枚。小葉は9〜15枚あり、先が鋭く尖る狭楕円形で、全縁だが少し波打つ。
花期は4〜5月。斜めに上がる茎から花がまっすぐに立つのが特徴。仏炎苞は長さ12〜20cmで、筒状部には、縦縞の細かい紫色の斑紋がある。狭い楕円形で長く垂れ下がった部分は緑色で紫色の斑紋がないことが多い。花序付属体は棒状で、筒部によく似た紫褐色の斑紋がある。
液果は穂軸面にげんこつ状について紅色に熟し、やがて黒変する。
名前の由来:最初の発見地 愛媛県の面河渓に由来する。別名:オモゴウテンナンショウは、なぜオモゴウなのか不明。広島県の三段峡をタイプ産地とするアキテンナンショウは同種とされている。
(絶滅危惧種) |