根の土壌固定力が強く、本州中部以南で道路の法面の緑化や砂防用に植栽されている、樹高2〜5mの落葉低木。樹皮は灰褐色。北米原産。
葉は互生。長さ10〜30cmの奇数羽状複葉。葉質は薄く、小葉の質は薄く、6〜12対で、葉身は長さ3〜3.5cmの長楕円形〜卵形で全縁。先端は鈍く尖り、基部は円形。表面は灰緑色で無毛だが、裏面は淡灰緑色で腺点があり葉脈上に毛がある。小葉葉軸と葉柄に短毛がある。
開花期は4〜7月。花は枝先に長さ6〜20cmの穂状花序を数個伸ばし、長さ約8mmの黒紫色の花を多数つける。花弁は濃紫色の旗弁のみで、下面に向かい筒状に巻いて雌・雄蕊を包む。翼弁と竜骨弁は退化している。雄蕊10個で花糸は紫色で橙色の葯が目立つ。
果実は長さ約1cmの豆果で、1種子を入れ、熟しても裂けない。表面には隆起した いぼ状の腺点がある。
名前の由来:花穂がイタチの尾に似ていることによる。
別名:クロバナエンジュは、葉が「エンジュ」に似ていて、花が遠目にはほとんど黒褐色にみえることからの命名。 |