本州〜九州の山野に自生する樹高20mほどになる落葉高木。
一年枝は細く、若い木は毛が密生する。樹皮は灰白色でほぼ平滑、縦に模様ができる。老木には浅い割れ目が入る。
葉は互生、葉身は長さ4〜8cmの卵形あるいは狭卵形で先端は鋭く尖り、基部は円形。表面には全体に毛があり、裏面には葉脈上に残る。縁には細かい重鋸歯がある。側脈は12〜15対あり、裏面に突出する。表面には光沢はなく少し伏毛がある。(アカシデは側脈が12本以下)
4〜5月頃、新芽の展開と同時に、前年枝の葉腋から黄褐色で4〜5cmの穂状の雄花序が下垂する。雌花は本年枝の先の新芽に上向きにつく。
果実は堅果。鎌型に反った葉のような付属体がついた果実を円錐形状に沢山つけた果穂を枝に多くぶらさげる。
名前の由来:「四手」とは、玉串やしめ縄などにぶら下げる、細長く切った紙のことで、果穂をこれに見立てた。「イヌ」は「シデに似るが非なるもの」の「非(イナ)」からに転訛したもの。 |