西日本の山地の林床に自生する、草丈30〜60cmになる雌雄異株の多年草。地下には球茎があり、偽茎はふつう葉柄や花柄より長く、淡褐色で縦筋が多く見られる。
茎葉は普通2枚が互生して鳥足状につき、7〜11枚の楕円形〜長楕円形の小葉をつける。小葉の先端は急に細長くなって糸状に伸び、縁に鋸歯があるものと無いものがある。
花期は5〜6月、仏炎苞は薄質で全体が淡い緑色。上部には白い縦筋が入り、先端が細長い糸状に垂れる。口辺部は外側に湾曲し、付属体の先端は丸く径6〜10mmの棒状になる。
果実は液果の集合果で、晩秋に赤く熟す。
名前の由来:「天南星」は、根を薬とした漢方(地下の球茎を去痰や鎮痙に用いる)の呼び方。本種が全体的に青いイメージで、仏炎苞が緑色であることから命名された。
※ 仏炎苞は、サトイモ科に特徴的な花の形で、仏様の光背に似ていることから、この名が付けられた。 |