本州〜九州の山地の湿った林床や沢沿いなどに自生する多年草。高さ5〜8cmほどと小型で、全体に軟毛が多い。花期の葉は幅約2cmのほぼ円形。托葉は広線形でふちに腺毛がある。
早春の早い時期から開花するが、あまり花茎を伸ばさず、葉の上に乗るようにして咲く。淡紫色の花は半開状態のままで平開しないのが特徴。
花弁は長さ1〜1.3cmでよじれているような状態になっていることが多い。ずんんぐりとした距の先は上を向き、雌しべの先はかぎ状に曲がる。軟毛に覆われた球形の果実は地面の近くにあって、種子をはじき飛ばすことはなく、こぼれ落ちるだけである。
名前の由来:「葵(あおい)」の名は、葉の形がカンアオイの仲間フタバアオイに似ていることから付けられた。葉がフキのようにほぼ円形であることからヒメブキの別名がある。 |